50代でなお体内年齢30代を保つアンチエイジング医が、 自ら20年続ける健康法を初公開。
重力を感じ、地球時間で生き、五感を取り戻す「原人生活」で、 肥満、高血圧、不眠、腰痛、不妊症、糖尿病といった “現代文明病”が続々と治っている!

アンチエイジング(抗加齢)の専門医である私が、 20年間続けている若返り健康法の全貌を、 本書で初公開します。 キーワードは「原人」です。
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人は便利でダメになる――。 これは長年、私が医師として患者さんを診てきた結果、確信していることです。 病気、老化、肥満など、症例は枚挙にいとまがありません。
私たちは今、怖いほど便利な社会に生きています。
エアコンで快適な室温の中、リモコン操作でテレビを見る。 パソコンで世界の情報をリアルタイムで知る。 欲しいものはインターネット注文ですぐ届く。
家事は全自動洗濯機や食器洗い機、ロボット掃除機が大活躍。 自動車や発達した交通網のおかげで、ほとんど歩かずに目的地に行ける。 コンビニエンスストアでは食べ物や雑貨が24時間手に入る――。
あなたも、そんな便利な生活に慣れすぎていませんか?
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便利さは加速するばかりで、 ひと昔前なら自分の手で、体で、脳でやっていたことを、 私たちは「めんどうだ」「不便だ」と感じるようになっています。
これは、進歩でしょうか。それとも退化でしょうか。
確かなのは、 私たちの心身がこの便利さに対応できていないということです。 自分たちが求めて作り出した便利な世の中に、 自分たちがついていけずに、さまざまな病気や老化を生んでいるのです。
しかも私たちは、 そうして生まれた病気や老化を、 薬やサプリメント(栄養補助食品)という、 これまた便利なもので穴埋めしようとしています。
進むべき方向を誤っていないでしょうか。
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私がその疑念を抱くようになったのは、 20代の頃、現代社会の利便性にどっぷり浸かった結果、 肥満、成人型ぜんそく、不眠症などに悩まされ、 全身が不調だらけになったからです。
その後、自衛隊の医官となった私は、 医師として部隊に同行するサバイバル訓練で 文明と完全に隔離されたことで、 体調が劇的に回復する経験をしました。
以来、私は 「現代の“便利”を少しだけ手放す」 という生き方を始めたのです。
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本書のタイトルにある 「都市型原人」 とは、その生き方を指しています。
ここでいう原人は、 必ずしも人類史でいう厳密な用語ではなく、 文明社会以前に生きていた私たちの祖先をイメージしたものです。 「自動車などの移動手段や、 オートマチックな機器がなかった時代に生きていた人たち」 を象徴する言葉として、とらえてください。
もちろん現代で、 原人そのものの生活を送るのはとうてい不可能です。 しかし、「都市型原人生活」だったらどうでしょう。
都市型とは、都会だけではなく、 地方を含めた現代社会の機能やシステムを指しています。
つまり、 「今の時代のグッズやネットワークなども活用しながら(都市型)、 生活に原人的な感覚を取り入れよう(原人生活)」 ということです。
都市と原人――。 一見、矛盾する言葉ですが、 両者を結びつけることで、大事なものが見えてきます。
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都市型原人生活でポイントとなるのが、 「重力を感じる」 「地球時間で生きる」 「五感を取り戻す」 「原人感覚で食べる」 の4つです。
具体的な手法は後述しますが、 いずれも便利を手放すぶん、当然ですが、少し手間がかかります。 それを義務と思うとつまらないので、 遊びやゲームとして楽しむのがコツです。
そのためのノウハウは、本書で詳しくご紹介します。
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都市型原人生活を続けるにつれて、 かつて私を悩ませた倦怠感やぜんそく、不眠などはすっかり消え去り、 52歳の今、30代の頃よりはるかに元気です。
50歳になる直前に受けたアンチエイジングドックでは、 筋年齢、骨年齢、ホルモン年齢、神経年齢が いずれも30代という結果が出ました。
老化の危険因子を診る判定法では、 免疫機能、代謝機能は100点、 生活習慣、ストレス抵抗性、抗酸化能は90点以上でした。
50歳になってから始めたフルマラソンを完走できるのも、 楽々と富士山を登ることができるのも、都市型原人生活のおかげです。
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世の中には、 現代医療では治せない不調に悩む人たちがたくさんいます。
「疲れが取れず、朝サッと起きられない」 「頭痛や不眠が慢性化している」 「うつっぽい」 「胃が重く、胸焼けする」 「便秘や下痢をくり返す」
私のクリニックにも、 これらの不調を抱えた多くの人が来院されます。 その大部分は、 医学的な検査をしても「異常なし」という結果が出る人たちです。
ところが、 私が実践している都市型原人生活を、 折りに触れて患者さんにも勧めていたところ、 不調がみるみる解消し、 原人生活を続けるごとに皆さん元気に、若々しくなっていきました。
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詳しくは本文で述べますが、いくつか具体例をあげます。
・鎮痛剤が手放せないほどの頑固な腰痛が、 ウソのように解消した(30代女性)
・なにをしてもやせられなかったのに、みるみる減量していき、 更年期障害の症状まで消え去った(40代女性)
・不妊に悩み、倦怠感、不眠、イライラなどもあったが、 不調が一掃されるとともに、めでたく妊娠、出産できた(30代女性)
・糖尿病が悪化して悩んでいたが、 急速に検査値が改善して、インスリン注射も不要になった(40代男性)
・脂質異常症、慢性胃炎、貧血などがあり、10種類以上の薬を飲んでいたのに、 不調が消えて薬を1種類に減らすことができた(50代女性)
・体重100kgから30kgの減量に成功し、フルマラソンを完走できた(50代男性)
このほか、 私が現在、積極的に取り組んでいるがん治療や、 増加の一途をたどる認知症の予防・改善にも有効だと感じています。 都市型原人生活は、 現代人の不調を一掃する切り札といってもいいでしょう。
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あなたも、 「もっと便利に」とひた走ってきた文明の針を少しだけ戻して、 都市型原人生活を取り入れてみませんか。
初めは少しわずらわしく思うかもしれませんが、 気負わず、楽しく、できることからでかまいません。
いったん慣れてしまえば、誰でもお金をかけずに、 楽しみながら続けられ、健康効果も抜群の優れた手法です。
やがて、 便利さに侵されて鈍っていたあなたの心身は確実に変わります。 健康や若さを取り戻せるだけでなく、 「私は生きているんだ!」という実感と喜びも、 胸の奥からふつふつと湧いてくるでしょう。
余分なものをそぎ落としながら、 健康な自分に生まれ変わっていくのは、とても楽しい体験です。 そのワクワク感をぜひ、あなたも味わってください。

青木晃(横浜クリニック院長・日本抗加齢医学会専門医)
横浜クリニック院長。日本抗加齢医学会専門医。1961年、東京都生まれ。88年、防衛医科大学校医学部卒業。自衛隊医官として防衛庁に勤務。恵比寿アンチエイジングクリニック院長、順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座准教授を経て現職。生活習慣病やがん撲滅のためのアンチエイジング(抗加齢)医学の第一人者として活躍し、若返りと健康に最適な手法として「都市型原人生活」を提唱。肥満、更年期障害、不眠、腰痛、不妊症、糖尿病、高血圧など、多くの患者の“文明病”を治している。みずからも都市型原人生活を20年間実践し、50代ながら筋年齢、骨年齢、ホルモン年齢、神経年齢は30代の状態をキープ。日々の診療のほか、アンチエイジングに関するメディア出演や講演も多い。

はじめに
第1章 都市型原人生活で若返り健康になる ・まずは現在の「原人力」をチェックしてみよう ・都市型原人生活は糖尿病やがんなど多くの病に有効 ・地球時間や重力を意識し五感を取り戻すのがカギ ・自衛隊医官としての部隊勤務で心身の不調が消えた! ・52歳で体内年齢30代を保つ秘訣が都市型原人生活 ・流行りの健康法と違って原人生活は続けやすい ・最先端のアンチエイジング医療は本当に正しいのか ・都市型原人生活は最も優れたアンチエイジング法 ・原人スピリットの手本となる健康長寿の有名人とは? ・小さな不便を受け入れることで得られる大きな宝
第2章 都市型原人生活 崕杜呂魎兇犬襦 ・近年のマラソンブームは原人生活回帰の現れ ・寿命が縮むプロセスは歩かなくなることから始まる ・エスカレーターをいつも無意識に使っていないか? ・都市ならではの「無料ジム」でお手軽トレーニング ・地球の重力を感じるのに和式の生活は最適だった ・ディズニーランドは都市型原人ゲームの舞台に最適 ・私が1日1万歩を5年間休まず続けられた最大の理由 ・「朝のランは狩り」とイメージして原人になりきる ・家の中でも重力を感じるためのリモコンオフデー ・重力を意識した生活に変えたら頑固な腰痛が消えた! ・それでも運動が続かない人はこれをしなさい
第3章 都市型原人生活◆崔狼綮間で生きる」 ・早寝早起きをすると体調がよくなるのはなぜか ・カンボジアの奥地で数日過ごすと体はどう変わる? ・地球時間を無視した生活によって肥満の人が増加 ・生活を地球時間に合わせたら更年期障害が消えた! ・起きたらすぐ朝日を浴び、夜は部屋を真っ暗にしよう ・時計遺伝子は脳だけでなく各臓器の細胞にも備わる ・「朝、おなかがすいているか」で健康状態がわかる ・肥満遺伝子を発動させない正しい夜の過ごし方 ・生体リズムを15分で簡単に調整できる奥の手とは?
第4章 都市型原人生活「五感を取り戻す」 ・安全・安心な環境と引き替えに鈍った人間の五感 ・ふとんの中からリモコンで暖房をつけていないか? ・五感を鍛えるには中高年の手習いこそがものをいう ・四季を感じるキャンプや果物狩りは貴重な原人体験 ・地球時間、重力、本能をすべて感じられる山歩き ・原始時代の遊動生活をプチ体験してみよう ・夜空の星をゆっくり眺めたのはいつ以来だろう? ・ハンバーグを使って親子で学ぶサバイバル本能 ・風邪薬、解熱剤、抗炎症剤を使ってはいけない ・原人生活を始めたら常用薬の量が1/10に減った!
第5章 都市型原人生活ぁ峺郷祐恭个膿べる」 ・なるべく素材の原形に近いものを食べよう ・添加物まみれの食事で自律神経は悲鳴を上げている ・コンビニ弁当や菓子をやめたら不妊症が治った! ・弥生時代は1食につき4000回も噛んでいた ・糖質制限食に賛否両論あるのはなぜだろう? ・原人生活では糖質制限をゆるやかに取り入れる ・原人的な糖質制限で糖尿病と高血圧が劇的に改善! ・野菜・果物は栄養価が豊富な旬の露地物を選ぼう ・人間の体は飢餓には強く、飽食には弱い ・簡単にできる週末プチ断食で心身をリセット
第6章 人生の深みも増す都市型原人生活 ・医療不信の声が近年増大している本当の理由 ・子ども時代の100点満点の健康レベルに戻ろう ・アンチエイジング医療は科学というよりも哲学 ・便利なツールを活用した原人生活で体重30垳此 ・医師の8割が「自分自身は抗がん剤治療を受けない」 ・便利・快適を追い求めて人は幸せになれたのか? ・健康が得られるだけでなく人生の深みも増す
おわりに
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