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「がん」はいい病気

前立腺がん、尿管がん、両耳の失聴……でも元気

丸山寛之著

発売日: 2009年08月22日
本体価格: 1300円+税
ISBN: 978-4-8376-1222-3

半世紀を超えて現役で活躍する医療ジャーナリストの丸山寛之氏が自ら選んだ治療と人生。著者は語る。「がんとはなんといい病気だろう。病気によって多くのことを学び、矯められ、鍛えられた。おれが病気を治すのではない、病気がおれを直してくれるのだ」。がんが教えてくれたことを書いた、勇気がわいてくる一冊。

はじめに

プロローグ
 一九九九年秋──。
 世界は、コンピュータの「二〇○○年問題」でゆれ動いていた。
 私の前立腺がんはそんな最中に発覚した。
 そして、世界的問題のほうはほとんど何事もなく落着したけれど、当方の個人的問題はとてもそんなわけには参らず、以来一〇年えんえんと「がん患者」を続けている。
 通院治療を受け始めて二年目の二〇〇一年四月、「お客さまは神様です」の三波春夫さんが「仏さま」になられて、前立腺がんだったと発表された。
 三波さんが、がんとわかったのは一九九四年一月で、「手術はせず、治療は主に薬と注射」であったという。私と同じ「ホルモン療法」だったようだ。
「同じがんで同じ治療を受けた三波さんが七年余り、私はいま二年目、7ヒク2ハ5、あと五年でしょうか」
 主治医相手に軽口をたたいたら、
「いやぁ、七年はもったほうですよ」
 即座にいい返されてしまった。この先五年はきびしいヨ、との婉曲な宣告だったのだろう。しかし、その七年が過ぎても、まだ普通に起きて、寝て、めしを食べて、ときには酒も飲み、仕事をしていられた。ありがたき不思議と思いながら、多少いい気になりかけていた。
 甘かった。二〇〇八年十月、左尿管がんという新規の手強いやつが見つかって、十二月に左の腎臓と尿管、膀胱の一部を摘出する手術が行われた。
 それだけではない。二〇〇六年五月には、突発性難聴で左耳が壊れるということもあった。右耳はもともと高度難聴だったから、全聾が完成し、がん+みんつん(全聾を意味する屋久島方言)の「がんつん」になったわけである(いまはさらにその上をいく「がんがんつん」だ)。
 ショックといえばショック、不便といえば不便、いささか精神の変調を感じた時期もあったが、根が軽くて薄い人間性が幸いして立ち直りも早かった。
「障害は不便です。しかし決して不幸ではありません」とはヘレン・ケラーの言葉だが、私の実感的感想もそれに近い。
 私は、一九五七年、駅売り新聞の文化部記者として医療記事の取材を始めたのが皮切りで、以後の半世紀を医家向けPR誌の編集、健康雑誌の社外ライターと、医学・医療の周辺をうろちょろしながら生きてきた。
 現在担当している雑誌『壮快』の「名医に聞く」は、前身の「日本名医列島」から数えると三〇年、地方新聞十数紙のコラム「健康歳時記」の連載は二三年になる。
 多くのさまざまな病気について、専門医の教示にもとづく記事をつくってきたが、記者としての見聞と、患者になって得た体験は、当然のことながらずいぶん異なる。
 以下はそのいわば狢慮嚇長期密着取材瓩了禄──癌+聾の「がんバろう」記だが、結論を先にいえば、私はいま、つくづくこう思っている。
 癌になったおかげで元気になった。
 聾になったおかげで人間になれた。
二〇〇九年初夏
丸山寛之

著者プロフィール

丸山寛之
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。1932年、鹿児島県屋久島生まれ。種子島高校—玉川学園久志高校卒業。玉川大学文学部教育学科中退。小学校教師、新聞記者、医学雑誌編集者を経てフリーライターに。医学・医療関係の取材・執筆に携わり、インタビューした医師の数は1000名を超える。健康雑誌『壮快』に「名医に聞く」を30年、地方新聞十数紙に「健康歳時記」を23年、連載中。著書『名医が治す』(マキノ出版)、『読むサプリ』(明拓出版)など。1999年、前立腺がん、2006年、完全失聴、2008年、尿管がんを患い、今日に至る。趣味=昼寝。特技=後ろ歩き。

目次

 プロローグ
 第一章 「これ、がんですよ!」
   1 高田馬場駅失禁事件  
   2 すでにリッパな重症患者  
   3 使わないと大きくなる前立腺  
   4 「これ、肥大じゃないなぁ。がんですよ、がん」  
   5 前立腺がんになってよかった?  
   6 平岡教授を訪ねる  
   7 ホルモン療法で様子をみる  
第二章 ホルモン療法とPSAのシーソーゲーム  
   1 PSA値二四一がストン、ストンと下がる  
   2 がんが私を健康にした理由  
   3 薬の副作用が出てきた  
   4 わが内なる男性の「最後のあがき」  
   5 同病の三波春夫さん死去  
   6 がんとのシーソーゲーム  
   7 ゴールまで、ゆっくり、ゆっくり  
 第三章 ベートーヴェンになっちゃった!  
   1 左耳も壊れて万事休す  
   2 両耳は聴こえない。頭の中ではセミしぐれ  
   3 三波春夫+ベートーヴェン  
   4 ベートーヴェンの難聴の原因  
   5 全聾でも聴こえる音がある  
   6 福祉のおかげで補聴器が無料で入手できた  
   7 楽しい家庭内会話がふえた  
   8 思いがけぬ余得  
 第四章 放射線「匠の技」でがんが消えた!?
   1 七年目にして放射線治療  
   2 放射線は“らくらく治療”  
   3 保険適用の画像誘導照射法(IGRT)  
   4 がんの原発病巣が消滅  
   5 ホルモン療法は骨粗鬆症になりやすい  
   6 新聞のコラムに医師からクレーム  
   7 尿に「潜血反応」あり  
 第五章 がん難、汝のタマをとる!? 
   1 尿検査が教えてくれた水腎症 
   2 阿久悠さんと同じ病気?  
   3 新たながんの告知=尿管がん  
   4 三通もある手術説明書  
   5 入院、麻酔科教授からの説明  
   6 手術前のリハーサル  
   7 手術は五〜六時間、麻酔が覚めるまで二時間  
   8 横向きVS下向きの攻防  
   9 大晦日前々日の退院  
   10 なぜか下のほうの病気ばかり  
【病気の解説】  
【参考文献】  

全国の書店のほか、下記オンライン書店でも取り扱っています。




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